キャリア・アンカー

2015年10月23日 01:11

 

今日はキャリア選択にとって大変重要な「キャリア・アンカー」のお話です。

 

「キャリア・アンカー」とは

アメリカの組織心理学者エドガー・H・シャイン博士によって提唱された

キャリアの選択において「絶対に譲れない価値観や信念」のことです。

キャリアの方向付け、指針となるもので、自分らしくあるために「最も大切なもの」です。

異動や転職など、キャリアという航海の中で、人は様々な職種や組織を経験します。

たとえどんな航路を辿ったとしても、自分の「キャリア・アンカー」を知っていれば

船が錨(いかり)をおろすように、流されることなく自分らしく生きることができます。

自分の「キャリア・アンカー」を知っておかないと、報酬や肩書きなどに惑わされたり、

後になって「なんか違う・・」と不満を感じるようになってしまいます。

また、「キャリア・アンカー」は、仕事の経験を積みながら実感してゆくものなので、

経験の浅い方には不向きな理論でもあります。

 

 

では、自分の「キャリア・アンカー」を知るために、3つの問いに答えてみましょう。

1.自分は何が得意か?

2.自分は一体何をやりたいのか?

3.何をやっている自分なら意味を感じ社会に役に立っていると実感できるのか?

 

適性や能力、仕事への動機や欲求、価値観など、

答えの内容によって次の8つのパターンに分類されます。

 

1.専門・職能スキル:特定の分野で能力を発揮する

2.管理スキル:集団統率、権限行使で組織の期待に応える

3.自律・独立:自分のペース・裁量で仕事ができる

4・安全・安定:経済的安定がある

5.起業家的創造性:障害を乗り越え努力で達成する

6・奉仕・社会貢献:社会に役立つ

7・純粋な挑戦:競争や困難に立ち向かう

8・生活様式:ワークライフバランス(仕事と生活のバランス)が取れている


さて、この中で、あなたが一番幸せを感じるのはどれでしょうか?

 

さらに、シャインは、

組織の中でキャリアを積む上で、組織の要望にどのように対応し適応してゆくのか、

そして、将来の変化を展望することで生き残りを考えることを

「キャリア・サバイバル」と呼んでいます。

 

「キャリア・アンカー」は自己分析

「キャリア・サバイバル」は組織ニーズの分析

この2つをマッチングさせることが大事とのこと。

 

人生において、個人は、組織での役割と家庭での役割があり

それらは時の経過とともに変化し、相互に影響し合うものです。

また、社会経済の動向などから、

組織の要求も、そして個人の要求も変化してゆく。

つまり、キャリアの選択は動態的でダイナミクスなもの

これをシャインは「キャリア・ダイナミクス」と呼んでいます。

 

自分自身を知ること

組織での役割を知ること

そして様々な変化に対応していくこと

人生という航海を

バランスよく柔軟に、自分らしく進んでいけたらいいですね。

 

 

今、私達は

社会や雇用情勢、激しい環境変化と働き方の多様化、

そして個人の価値観の多様化といった複雑な環境にいます。

それでも・・だからこそ・・・

自分で人生の舵を取り進んで行くことが大事なのです。

何を選択しても自分が決めたこと

のせいにしたり、他人にふりまわされたりしてしまいます。

自分にとって何が一番大切なのか 

どうなったら幸せなのか

そのために今なにができるのか・・

答えは自分の中にあります。

 

 

「キャリア・アンカー」

こころの錨をおろして 自分らしく生きる

あなたの真に望むキャリアという航海が始まります。

 

 

 

非正規応援カウンセラー 大塚 恵久

 

 

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