ショートケーキください

2017年08月14日 03:16

 

「嫌われる勇気」

今年放映されたドラマの話です

サブタイトル 「私は、私のために生きる」

アドラー心理学がテーマになっていました

 

第1話冒頭にこんなシーンがありました

 

主人公の庵堂蘭子がケーキ屋さんにいます

人気のお店なのでしょう

沢山の人が並んでいます

蘭子は前から3番目です

 

後ろの方に並んでいる女の子が

「あたし、ショートケーキがいい!」と叫びました

ショートケーキはあと1つしかありません

 

蘭子の前の2人は、少し戸惑った様子でモンブランとチーズケーキを選びました

次は蘭子の番です

 

「ショートケーキください」

 

一斉に周りの非難の目が蘭子に向きます

女の子も蘭子を指さして睨んでます

 

蘭子は、全員の射るような目の中

どこ吹く風で、おいしそうにショートケーキを食べている

 

とても印象に残ったシーンでした

 

 

私だったらどうするか・・・

 

ショートケーキを選んで、テイクアウトにする(笑)

 

ショートケーキが食べられなかったのは、女の子の課題

お客様の期待に応えられなかったのは、お店の課題

私の課題ではない

 

アドラー心理学では、これを「課題の分離」と言います

 

 

女の子は、この後どうしたんでしょうねぇ~

 

もし、この子が相談に来たら・・

 

「人気のお店のショートケーキを買いに行ったら沢山の人が並んでて・・

あたし「ショートケーキがいい!」って叫んだんです。

でも、前に並んでいた女の人が最後の1個を買っちゃって、食べられなかったんです。

ヒドイって思います。大人げないって思います。大人は子供に譲るべきです。

ずっと並んでたのに・・納得できません!」

 

まず、ずっと並んでいたのに買えなかった気持ちをしっかり受容する

ショートケーキへのこだわり・価値観をきく

大人は子供に譲るべきと考えるのはどうしてか

もし、自分が逆の立場だったらどうするか

もし、最後の1個を買ったのが、自分より小さな子供だっらどう思ったか

ショートケーキが買えた人と、自分との違いは何か・・

カウンセリングを通じてCL自身に考えてもらう

その上で改めて、どうしたいのかをきく

それをするためにはどうしたらいいか

どのようなプランが必要か

それを行動にうつすためには、何が必要か

CL自身で考え行動できるよう支援する

 

職業病 (~_~;)

 

そんなことは、どーでもよい

 

 

ケーキはひとつの例えで

人生の転機に立った時、

人や周りの目、反応、評価、世間体を気にして

自分の意志がブレてしまうことはありませんか?

自分の意志が曖昧なまま人の意見で決めていませんか?

 

そもそも

人や周りって誰? 世間って誰のこと?

親、家族、友人、恋人、上司、同僚・・・?

 

その誰かに影響されて決めたとして

自分が納得するでしょうか

 

上手く行かなかった時

その誰かのせいにしていませんか

 

それは、自分の課題から逃げているだけ、なんですね

 

アドラーは

人間の全ての悩みは他者との関わりの中にあり、

自分の課題を明確に切り分けすれば解決できる、

と言っています

 

自分の課題にフォーカス

なるほど!

 

ある議員が

「他人に自分の人生、のっけてんじゃねぇーよ」と言ってましたが

あの件は置いといて

人生の選択を他人に委ねてどうする

自分の人生の舵取りは自分でしなくちゃね

自分の人生を生きなくっちゃ!

 

モンブランでもチーズケーキでもなく

ショートケーキを選ぼう

 

 

 

※補足

人との関わりの中で課題の分離をすることが

一方で、自己中心的と思われることもあり嫌われる勇気が必要

だけど

ただ自己チューになれ、ということではなくて

今の自分をありのままに受け入れ

他者を無条件に信頼し

自己犠牲の伴わない他者への貢献によって

人の役にたっているという実感を持つことが大事

これをアドラーは共同体感覚と言っています

 

 

 

 

キャリアコンサルタント 大塚 恵久

 

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