トライアル雇用と試用期間

2015年11月03日 02:37

 

今日は、トライアル雇用と試用期間の違いについてお話します。

 

ハローワークの求人票でよく見かけるトライアル雇用と試用期間

似ているようで違いがあります。

 

トライアル雇用とは・・・

職業経験、技能、知識の不足など働いた経験が少ないことから、

期間の定めのない雇用(常用雇用)での就職に不安のある方などが、

原則3ヶ月間の有期雇用契約を結び、その企業で実際に働いてみて

トライアル期間終了後に、企業と労働者双方の合意のもとで本採用へ移行する制度です。

トライアル雇用から本採用になった方は約8割。

 

トライアル雇用の対象となるのは

1.これまでに就労の経験のない職種や業務に就くことを希望する方

2.過去2年以内に2回以上離職・転職を繰り返している状態にある人で、今後長期的に安定した就業を希望する方

3.直近で1年を越えて失業している方

4.母子家庭の母、父子家庭の父、学卒未就職者、育児ブランク者、生活保護受給者など就職の援助を行うにあたって特別の配慮を要する方

※細かな要件がありますのでハローワークへお問い合わせくださいね。

 

トライアル雇用の特長は

1.事業主は、労働者の適性や業務遂行の可能性などを実際に見極めた上で、ト ライアル雇用終了後に本採用するかどうかを決めることができる

 2.事業主は、トライアル雇用の期間、対象労働者1人あたり月額4万円(最大12万円)の奨励金を受け取ることができる(要件あり)

 3.対象労働者は、実際に働くことを通じて企業が求める適性や能力・技術 などを把握することができる

 

仕事への適性や、社風が合うかどうかは、実際に働いてみないとわからないものです。

トライアル雇用で試しに働いてみて、このまま働きたいかどうか判断することができますし

企業にとっても、トライアルで適性を見ることで雇用のミスマッチを防ぐことができます。

この制度を利用する企業は、実施計画書を作成し

対象労働者の実務能力や労働意欲の向上等を図り、本採用にするかどうかを決めます。

トライアル雇用終了後に、能力等を考慮した上でどうしても困難と判断される場合には、

トライアル雇用だけで雇用を終了することも可能であり

その場合は、雇用契約期間は満了しているので解雇には当たりません。

 

 

試用期間とは・・・

期間の定めのない雇用契約の最初の数か月間で、業務に対する適性を見る期間です。

試用期間中であっても、客観的合理的社会通念上妥当とされる理由なく解雇はできません。

試用期間の長さについては、法律での規制はないものの

例えば1年を超えるような試用期間は認められないとしています。

また、トライアル雇用の後に本採用し、さらに試用期間を設けることも

トライアル雇用で適正の有無を判断しているのですから

合理的理由がない限り、意味なく試用期間を延長しているとされます。

 

「試用期間だからいつでもクビにできる」などと言って脅したり

一方的に試用期間延長を繰り返すなどの場合は

その会社はコンプライアンス意識が低いと判断し、やめておいたほうが無難です。

 

トライアル雇用も試用期間も働いた分のお給料は当然もらえますので

難癖をつけ支払われない場合は、労働基準監督署へ相談してください。

 

 

 

トライアル雇用制度は、

雇用の門戸を広げ、経験のない方へも正規雇用への道を開くものであり

面接だけではわからない、労働者と企業相互の理解を深め、

安心して働き続ける(雇用する)ために有意義な制度と言えます。

 

チャレンジしたいトライアル求人があったら窓口で相談してみてくださいね。

 

 

 

非正規応援カウンセラー 大塚 恵久

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