ジェンダーバイアス

2015年11月15日 02:58

 

ジェンダーバイアスという言葉をご存じでしょうか?

「ジェンダー」とは一般的に社会的文化的性差のこと

そして「バイアス」とは偏見のこと

男女の役割について固定的な観念を持つことや

社会の女性に対する評価や扱いが差別的であることを

ジェンダーバイアスといいます。

例えば、

「男性は外で働き、女性は家を守る」

「女性は家事・子育てをするのが当たり前」など。

 

先日のマタニティーハラスメントのニュース

マタハラの実態について、厚生労働省は12日、初の調査結果(速報値)を公表しました。

マタハラを経験した女性は、派遣社員では48%と2人に1人の割合で、正社員では21%、

契約社員では13%でした。

派遣社員が被害にあう割合が高く、そのうち27%が妊娠を理由に契約の打ち切りにあっていました。

上司などから「迷惑だ」「辞めたら」といった嫌がらせの発言を受けたケースが一番多く、47%が経験。

誰からマタハラを受けたかを尋ねると、「直属の男性上司」が最多で19%、「直属の女性上司」11%、「同僚、部下」では男性5%、女性9%という結果になりました。

 

女性からのハラスメントも多いということがわかります。

同性だからこそ風当りが強いということでしょう。

 

マタニティーハラスメントに対しては

男女雇用機会均等法や育児介護休業法などで規定されていますが

組織の中での意識改革、取り組みが立ち遅れている現状があります。

マタハラだけでなくセクハラやパワハラといったハラスメントを

生み出してしまうのは

個人の責任だけでなく、組織風土によるものと私は考えます。

 

女性の労働力の活用、推進を図るべく、

国はポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)に取り組む企業を支援しています。

 

今の日本では、女性労働者の半数以上が非正規雇用です。

女性の能力開発や昇進を阻む見えない障壁をガラスの天井と呼びますが

女性が働きながら子供を産み育てることの障壁が

キャリアの中断と非正規への労働転換を生んでいます。

非正規で働く女性には

性差に加えて、非正規であることへの差別も深刻になっているのです。

 

では、非正規の女性が育児休業を取得できるのかという点について

厚生労働省のリーフレットhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/31.pdf

 

育児介護休業法では育児休業を取得できる方の要件として

①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている

②子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる

③子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでない

としています。

 

女性労働者に対する意識と取り組みが改善されるといいですね。

 

目に見えないガラスの天井・・以前に

非正規で働く女性たちが

目に見える現実と日々戦っていることを知ってください。

 

 

 

非正規応援カウンセラー 大塚 恵久

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