同一労働同一賃金推進法

2015年10月13日 04:55

 

同一労働同一賃金推進法

正式名称は「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律」

労働者派遣法改正の混乱に紛れ、原案に修正を加えた形で成立しました。

 

そもそも「同一労働同一賃金」とは

同一の仕事職種)に従事する労働者は皆、同一水準の賃金が支払われるべきだという概念であり、労働の種類と量に基づいて賃金を支払う賃金政策のこと。

さらに、職種が異なる場合でも労働の質が同じであれば、同一の賃金水準を適用する賃金政策のことが「同一価値労働同一賃金」

国際労働機関(ILO)は、この原則をILO憲章の前文に挙げており、

基本的人権の一つとしています。

 

日本では、勤続年数が長くなれば経験を積み能力も上がるとする「職能給」がベースですが

欧米では、仕事の内容や職務の価値、つまり「仕事そのものの値」を賃金とする「職務給」

誰がやっても賃金は同じ、つまりこれが同一労働同一賃金の原則です。

組織と人との関係がドライ、今の日本の非正規雇用の賃金体系と言えます。

 

 

では、概要の抜粋です。

 

基本理念

①雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇を受けることができるようにする

②通常の労働者以外の労働者が通常の労働者となることを含め、労働者がその意欲・能力に応じて希望する雇用形態により就労する機会が与えられるようにする

③労働者が主体的に職業生活設計を行い、自らの選択に応じ充実した職業生活を営むことができるようにする

 

〇国は、事業主が行う通常の労働者・通常の労働者以外の労働者の待遇に係る制度の共通化の推進その他の必要な施策を講ずる

〇政府は、派遣労働者について、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇についての規制等の措置を講ずることにより、派遣先に雇用される労働者との間においてその業務の内容および責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇および均衡のとれた待遇の実現を図るものとし、3年以内に法制上の措置を含む必要な措置等を講ずるものとする

〇国は、労働者がその意欲・能力に応じて希望する雇用形態により就労することが不当に妨げられることのないよう、労働者の就業形態の設定、採用および管理的地位への登用等の雇用管理の方法の多様化の推進その他雇用環境の整備のために必要な施策を講ずる

 

修正点は以下のとおり

 

【修正前】1年以内

修正後】3年以内

【修正前】「法制上の措置」を講じる

【修正後】「法制上の措置を含む必要な措置等」・・通達などでいいことに

【修正前】職務に応じた待遇の均等の実現

【修正後】その業務の内容および責任の程度その他の事情に応じた

     均等な待遇および均衡のとれた待遇の実現

 ・・・・「均衡」の文字、同一賃金にしない理由を正当化できる

 

 

すっかり骨抜きになったと言われていますね。

もはや意味があるのでしょうか。

 

 

 

 

非正規応援カウンセラー 大塚 恵久

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