改正労働者派遣法 成立

2015年09月11日 20:15

 

改正労働者派遣法は11日、衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、成立しました。

9月30日施行

「専門26業務」廃止、1人の派遣労働者が同じ部署で働ける期間は3年に制限されます。

 

現在、非正規雇用で働く人全体の中で、派遣労働者は約6%です。

その内、「都合のよい時間に働ける」として派遣で働き続けることを望む方が4割、

「正社員になりたい」としている方は4割です。

派遣で働き続けることを望む方にとっては、今回の法改正は、

雇用のチャンスが広がることになるかもしれません。

 

雇用安定措置として派遣先企業(または派遣会社)での直接雇用を求めてはいますが、

直接雇用=正社員、ではないことに注意です。

労働者派遣法の3年ルール、労働契約法の5年ルール、

企業側は、新たな雇用区分を創設し対応していくのか、それとも、

期限前に雇い止めを繰り返し、人を挿げ替えて業務を回し続けるのか・・・。

この法改正の影響はとても大きいでしょう。

 

「企業は人なり」 ふとこの言葉が浮かびました。

 

企業にとって、3年、5年ごとに人を替えて業務を回し続けることが利益でしょうか。

正社員、非正規、雇用形態にかかわらず、OJT・OFF-JT等で従業員の職業能力を高め、

勤労意欲を引き出し定着率を上げることが、企業の人的資本の蓄積となり、生産性を高め、

企業の競争力を高めることになるのではありませんか?

 

近年、若者の早期離職が問題となっています。

理由は、休日・休暇等の労働条件、仕事が合わない、など。

とかく、若年層の勤労観、社会人としての資質の欠如、などと言われがちですが、

入職率の高い産業は離職率もそれに比例して高く、非正規率も高い現状があるのですから、

企業側の使い捨て意識、「働かせ方」といった視点も必要でしょう。

企業情報として、過去3年の離職率、非正規率等、企業側の労働者に対する姿勢を、

労働者側がしっかり見て判断できるしくみもあってしかるべきです。

 

急速に少子高齢化が進む日本では、労働力の確保・活用、潜在する労働力を労働市場へ押し上げることが重要課題になっています。

それぞれの事情や希望に合わせた柔軟な働き方の選択、

たとえば出産や育児・介護等でキャリアの中断をしても、

再び労働市場へ円滑に参入できる機会があることや、柔軟な雇用モデル、

職業生涯を通じたキャリアの蓄積が可能となる環境整備は不可欠となってゆくでしょう。

今、目の前にある問題回避だけを捉えてしまうと、この先成長などありえません。

 

私達労働者は、自身のキャリアをどう方向付け蓄積していくのか、自分軸を確立することと

自身の働く権利を守るための知識を持ち、声を上げるべき時ははっきり主張できるようにしておくことが大切と思います。

また、自分にとって大事な人、尊敬する人、気持ちを共有できる仲間と

できるだけ繋がる機会を持つようにしてください。一人で頑張るのではなく。

そして、助けが欲しい時は、助けてもらう勇気も持ってくださいね。

たとえ壁があったとしても、自分軸をしっかり持っていれば、繋がる人がいれば、

必ず乗り越えていけます。

いつだって、どんな時でも、希望はあるのですから、あなたの中に。

 

私はそう信じています。

 

 

非正規応援カウンセラー 大塚 恵久

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