氷河期世代を正社員化、採用の企業に助成へ

2016年11月04日 00:22

 

政府は来年度、バブル崩壊後の就職氷河期(1990年代後半~2000年代前半)に高校・大学などを卒業し、現在は無職や非正規社員の人を正社員として採用した企業に対し、助成金を支給する制度を創設する。  

少子高齢化に伴って生産年齢人口(15~64歳)が減少する中、働き盛りの世代を活用する狙いがある。

就職氷河期に就職活動した世代の大半は現在、30歳代後半~40歳代になった。親が定年退職したり、介護が必要になったりして、現役世代の働き手として家族の中心的な役割を担っていることから、正社員化で生涯賃金の引き上げを図ることにした。

政府は、沖縄県を除く46都道府県で有効求人倍率が1倍を超える(9月)など、良好な雇用環境が続くうちに、こうした世代の正社員化を促す取り組みを進めたい考えだ。

今回、助成金の対象となるのは、「過去10年間で5回以上の失業や転職を経験した35歳以上」。現在無職の人や非正規社員を正社員として採用した企業に対し、中小企業で1人当たり年間60万円、大企業で同50万円支給する方針だという。

定着度を見極めるため、助成金は一度に全額支給せず、勤務開始から半年後と一年後の2回にわける形をとる。 (読売新聞)

 

 

 

ツッコミどころ満載

 

 

この年代だと、企業が求めるのは経験者で即戦力

非正規というと何かとスキルがないと思われがちだけど

経験を積んでスキルの高い人だっていっぱいいる

 

一方で

こうした機会に恵まれなかった人にもチャンスが広がるのだろうか

教育訓練

既存の社員との賃金や待遇のバランス

介護との両立

これらの問題が勘案されているのだろうか

 

 

良好な雇用環境・・・?

 

 

非正規率は若年層より中高年層の方が深刻だ

団塊ジュニアと呼ばれる世代が就職氷河期と重なり

バブル崩壊、リーマンショック

雇用が一気に落ちこみ

エンゼルプラン等の少子化対策も

雇用情勢が回復しないままぱっとせず

あれよあれよと言う間に少子化、高齢化が加速

団塊世代が65歳を超えて

労働力は減少の一途をたどり

非正規増

未婚増

介護離職増

 

この状況は想定できていたはず

とっくの昔に気づいてたよね

就職氷河期世代だけの問題じゃない

 

 

 

1年で定着率を見極められますか?

正社員で雇ったらお金あげるよ~

1年たったら好きにしていいよ~みたいな。。

助成金目当てに正社員で採用

安い給料の全人格労働、生涯働きゃ生涯賃金引き上げとか?

ブラック企業が飛びつきそうな気がしますケド。。

正社員になったら給料上がる、とは限らない

 

 

5年、10年・・その後の定着率と離職率、離職理由までしっかり後追い調査して頂きたい

 

 

非正規→正規、有期雇用→無期雇用

安定がキーワードの施策があっても

そもそも

この国自体が不安定になっちゃってるんだから

雇用も少子化も経済が回復しなきゃ何も解決しないよね

 

 

種(金)撒く前に土を肥やせ、と私は思う

 

上からばらまく施策じゃなくて

底から持ち上げる施策にならないものか

土を肥やす施策はないのかと思ってしまう

渇いた土に、腐った土に、木がはえても根がはらない、実がならない

土を肥やし種をまいて育てて・・企業も人も同じはずなのに

人件費削減にやっきになって

海外の安い労働力でグローバル化

国内の労働力を肥やさなくちゃ

根っこなんて張れないよ

大きな花も実もならないよ

 

 

中小企業は人手不足なんて話も聞くけれど

どこがどうすれ違っちゃってるんだろう

正社員経験がなくちゃだめなの?

非正規ってそんなにだめですか?

 

非正規ってだけでフィルターかかるんだよね

スキルがない、やる気がない、使い捨て・・みたいな

ある意味、風評と一緒

 

転職回数が多いってそんなに悪い?

いろんな会社を経験して

職場環境への適応力や柔軟性が高いとも言えるし

スキルの幅も広がったと言える

一つの企業の中にいたら気づかない視点も持っている

何度も転機に立たされて

逆境にさらされても負けない底力だってある

そうじゃなきゃ非正規やってけないんだから

こういう底力、

身につけようと思って身につけられるもんじゃないんだから

経験は何より人を強くする視野を広げる

私はそう思う

 

中小企業で労働者が元気で働いてこそ雇用は回復するんじゃないかなぁ

中小企業がこの国で希望を持って

中小企業が労働者の希望になってこそ

労働者が未来に希望を持てるようになるんじゃないかなぁ

 

 

中小企業も労働者も元気に・・・なったらいいな

 

イチ企業の中で労働者の問題を抱えこむんじゃなくて

企業という枠を超えた支え合う仕組みとか作れないんだろうか

 

 

様々な事情を抱えた労働者を

いろんな受け皿で支え合う仕組みができて

いろんなチャンスが平等にあって

将来のビジョンが描けるような

そんな国であってほしいと、こころから思います

 

 

 

キャリアコンサルタント 大塚 恵久

 

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