産業カウンセラー実技試験について

2017年01月23日 03:38

 

学科試験を終えて周りが開放感に浸っている中

実技試験がある方はもうひと踏ん張りですね

 

養成講座で免除にならなかった悔しさ、痛いほどわかります

私は想定していましたけれど、それでもショックでしたから。。

だけど・・・あの時の悔しさを

私は経験する必要があったんだと今は確信しています

 

 

産業カウンセラー資格を取ろうと思った理由がそれぞれおありだと思います

養成講座に通った長い月日

本当に大変だったですよね

毎回、課題もありました

頑張ってここまでやってきたんです

ちゃんと積み上げてきましたよね

だから自信を持ってください

 

 

あえて・・・あえて言わせて頂ければ

 

選ばれし者しか実技試験は経験できません

この貴重な経験ができることを次へのステップにして

最後まで精一杯やりきって胸を張りましょう!

 

 

では、実技試験について

 

私が実技試験を受験したのは2014年度です

当時の情報であることと、

私の主観で書いていますのでそれを踏まえた上で

お読みいただければと思います

対応例についても、あくまで

「私だったらこうする・・・かな?」というひとつの視点なので

みなさんは、ご自身が感じたままクライエントにしっかり寄り添ってください

 

 

当日の流れ

 

※試験会場によって若干違う部分もあると思います

 

試験会場についたら受験番号で待機部屋が分かれています

試験を待つ間に試験についての説明があります

名前の書いたシールを渡されると思います

ネームホルダーに1枚、試験官に渡す1枚

・・だったと思います(ちょっと記憶があいまいです)

 

時間になると、順番に呼ばれます

この時にペアを組む相手が分かります

ペアと一緒に試験室へ案内されます

廊下に椅子があり試験の注意書きが置いてあります

私語は一切禁止

ペアと離れて座ります、話してはいけません

クライエント役の時に話すテーマも書かれています

仕事、家族、性格、他にいくつかあったような気がしますが、

だいたい上記3つの内どれかを考えておけば大丈夫だと思います

 

時間になると試験室から「どうぞ」と呼ばれます

ペアの方と一緒に入室します

試験官の前に行ったら名前を言って、名前シールを渡します

「お座りください」と言われたら椅子に座ります

 

試験官から試験の説明があり、その後ペアの方とじゃんけん

勝った方がどちらの役を先にやるか決めます

(受験番号の早い方が先に決めることもあるようです)

先攻、後攻迷うところですが

緊張しすぎて声がかすれそうな時は

先にクライエント役で発声練習をするのも手かもしれません

 

 

カウンセラー役の注意点

 

・椅子の調整をする時は座ったままズルズル椅子を引きずらない、立って調整する

・クライエントに集中する

この時間はクライエントのための時間

クライエントの前に座ったら、受験生ではなくカウンセラーです

・クライエントの話すスピードに合わせる(早口にならない)

・声の大きさは、試験官とクライエント役にはっきり聞こえるように

・伝え返しはクライエントの言葉を使う

クライエントが言った言葉を短く伝え返す(だらだらと長く話さない)

・感情の部分は逃さない、しっかり伝え返す

・焦らない

時間が短いので応答しようと焦る気持ちはわかりますが、クライエントの話をしっかり聴いてください

・要約を入れる場合はだらだら長くしない、簡潔にする

・クライエントが発言しようとしている時に言葉が被らないようにする

クライエントの話が切れたら、ひと呼吸入れて応答するといいと思います

 

 

クライエント別対応例

 

・クライエントがしゃべりっぱなし

しゃべらせてあげる

時間がなくなりそうで焦りますが、話を遮るのはNG

応答できなくても振り返りで例えばこんな感じで言えればいいと思います

「まずはクライエントに吐き出して頂くことを優先したので、あえて口を挟まずしっかり聴くことができました」

 

・話が止まったまま無言

クライエントが考えている時は、沈黙を待つ

カウンセラーの応答を待っている様子なら、クライエントが直前に言ったことを伝え返す

どっちなのか分からない時は、10~20秒くらい待って、直前に言ったことを伝え返すor要約を入れる

 

・クライエントの話があちこち飛んで何を言いたいのかわからない

・頭ン中真っ白パニック

うなずいて、ちゃんと聴いてますよサインを出す

繰り返し同じ言葉を言ってたら、それを伝え返す

クライエントの主訴(最初に言ったこと、何で相談にきたのか)を、改めて伝え返してクライエントに整理してもらう

仕事の内容や周りの環境などの事実をどんなに話しても、それをどう思っているのか、どうしたいのかが大事なので感情の部分に集中する

 

・感情の言葉が出てこない

感情を聞く

「そのことについて、どう思いますか?」

「そのことについて、どうしたいですか?」

 

・クライエントが泣きだす

あまりないとは思いますが・・落ち着くまで泣かせといてください

落ち着いて来たら「少し落ち着きましたか?」「お話できそうですか?」「無理しなくても大丈夫ですよ」

 

 

 

振り返りについて

・主訴

クライエントが最初に話したことを言えばOK

何で相談に来たのか、を簡潔に1分以内に

セッションの流れをだらだら説明するのではありません

 

・良かった点

自分が思う良かった点を堂々と言ってください

「クライエントの気持ちに沿った応答ができた」

「ラポール形成がしっかりできた」

「沈黙を待つことができた」等

 

良かった点が全く思いつかない時でも

クライエントが話をしてくれて、感情が出てきていれば、ラポールは築けているということです

 

・改善点

できなかったところに「ちゃんと気づいてます、改善できるよう努力します」

こんなことが言えれば大丈夫

自分で感じたことを素直に正直に話してください

例えセッションが上手くできなかったとしても、振り返りをちゃんと言えればOKなので

最後まであきらめない!

 

主訴、良かった点、改善点でトータル2分程度

 

その他の質問

・養成講座を受講しようと思った理由

・受講して何か変わったか

・今後どうしていきたいか など

1分程度で話せるようにしてください

 

応答や振り返りで、こんな時はどうするの?という質問があったらメールをください

 

 

 

・クライエント役の注意点

 

短い時間なので重い話はしない(泣いてしまいそうな話はやめましょう)

感情的、感傷的になりすぎない

主訴は最初に簡潔に話す

ゆっくりはっきり、カウンセラー役と試験官に聞こえる声の大きさで話す

しゃべりまくらない、カウンセラー役が応答を入れることができるように話に間をいれる

感情の言葉をちゃんと言ってあげましょう

そして、(ココ、伝え返すところよっ!みたいな感じで)間を置く

 

 

カウンセラー役をわざと困らせるようなことをする人がいるようですが

受験生同士ペアになっているのですから想いは同じのはず

一緒に合格する気持ちでいて欲しいと思います

試験官はカウンセラー役の時だけを見ているのではないと思います

クライエント役の時に、まとまらない話をしたり、とめどなく話をしたりすれば

事前に話す内容を用意していない、整理していない、準備をして来なかった

そう思われるかもしれません

悪意ある態度は、カウンセラーとしての人間性も問われることになりますので

 

 

試験が終わったら、椅子から立って「ありがとうございました」と言って(お辞儀をして)退室します

ドアを閉める時に1礼、で終了

部屋を出ても私語はNG

これから試験を受ける方が待っていますからね

黙って試験会場を出ましょう

 

 

当日の服装、みだしなみ

 

基本スーツ、ジャケット必須

カジュアルNG

きらきらアクセサリーNG

すごい茶髪、派手な色の髪NG

派手なネイルNG

カウンセラーとしてふさわしい服装とみだしなみ

 

マナーある立ち振る舞いと言葉遣い

そして、優しい笑顔 -

 

 

 

繰り返しますが・・・・

 

試験なので合格を意識するのはわかります

ですが、セッションが始まったら受験生からカウンセラーにしっかりシフトしてください

この時間はクライエントのための時間であって、自分の合格のための時間ではありません

クライエントに集中してください

試験官の存在を忘れるくらいクライエントに集中!

 

 

 

最後に・・

産業カウンセラー実技試験は、

どれだけ上手にセッションできるかを見る試験ではなく

カウンセラーとしてクライエントとどう向き合うか

自分はカウンセラーになって何がしたいのか

そのためにどうしていくのか

今現在の技術的なスキルより

”のびしろ”を見てくれる、そんな試験だと私は思っています

上手くやろうなんて思わなくて大丈夫です

テクニックより、目の前のクライエントにしっかりこころを寄せて

耳を傾けてあげてください

 

そして、ペアの方に感謝して一緒に合格してください

 

 

以上、産業カウンセラー実技試験について思いつく限り書いてみました

参考になれば幸いです

     

 

 

 

キャリアコンサルタント 大塚 恵久

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